top of page
wooden-cube-blocks-with-faq-text-frequen

DiSC®理論について

『DiSC®』は、『D:Dominance(主導)』 『i:influencing(感化)』 『S:Steadiness(安定)』 『C:Conscientiousness(慎重)』 の頭文字から成り立っています。

大文字にすると数字の『1』と間違えやすいからです。また、『DiSC®』という名称が登録商標となっています。また、D、i、S、Cという順番にすることによって、発音しやすく記憶しやすいよう配慮されています。

DiSC®は、人と人の関係性、コミュニケーションをより良くするためのツールです。そのために、対人間(たいじんかん)の欲求、自分にとって心地のよい行動のパターンを測定しています。よって、短期間で大きく変化することは少ないです。また、「適応型テスト」という測定手法は回答の一貫性を確認し、人によって設問が変わる仕組みになっているため、役割行動やありたい姿などの影響を受けにくい構造になっています。

DiSC®を活用する目的はスタイルを変えることではなく、役割や状況に適応すべく、本来のスタイルから離れてストレッチができるようになるかどうかが重要です。もし現在のDiSCスタイルを自身のなりたい姿(スタイル)に変えた場合、現在持っているスタイルだからこそ発揮できている強みを失ってしまうかもしれません。「隣の芝生は青く見える」ということです。それよりも、自己認識を深めて自身の強みと課題を客観的に把握し、状況や相手に応じて、行動を調整する(ストレッチする)方法を身に着けるほうが、よいパフォーマンスに繋がるのではないでしょうか。

人は大人になっても成長します。それに伴いDiSC®スタイルも長い目では変化する可能性はあります。価値観を変化させるような大きなライフイベント等の影響があると、短期間でも変化するかもしれません。


ただし、DiSC®は、自身のスタイルを変化させることを目的としているものではありません。成熟することによって、人や状況に、より柔軟に適応できるようになる人もいますが、それはその人のスタイルが変化したということではなく、自身の本来のスタイルを自己認識したうえで、調整(ストレッチ)することができるようになったということです。

職種や役職による、統計上有意といえる分布の差は見出されていません。DiSC®は職業適性を予測することを目的とはしておらず、そのための尺度をそもそも測定していません。DiSC®は対人間の欲求、自分にとって心地のよい行動のパターンを測定していますが、職業適性を見るには、より広範な項目を測定する必要があります。

実際に職種や部門によって偏りの出る組織もあります。その理由は、その仕事や役割に就いたからスタイルが変わった、という可能性よりも、むしろ以下の可能性が考えられます。

・もともとその職業などに対するイメージ(例:営業は人に会うので社交的な人が向いている、という思い込み)で仕事を選んだ人が母数として集まっている。

・採用担当者の好みや組織のバイアス・上司のスタイルなどの影響で、特定の行動スタイルが評価されやすい、そのような人が残りやすい。

日本語で使用している『DiSC®』は、英語版を単純に翻訳したものではありません。米国語圏以外では、各言語の適切な人口統計をベースにして「妥当性」「信頼性」を検証しています。日本語版においても日本人を母数とした「標準化」を実施し、「妥当性」「信頼性」検証を経ており、その結果はレポートで資格者に共有されています。

DiSC®アセスメントは、日本語開発にあたり「標準化」というプロセスを経て、日本人のサンプルデータを何度も取って標準偏差を出しています。つまり、どのスタイルも均等に出現します。国や言語による出現率に差はありません。


DiSC®アセスメントには、文化の違いを測定するための尺度が含まれていません。よって文化の違いをその結果から説明することは残念ながらできません。国民性の違いはたしかにありますが、それとDiSC®の結果には関連性はほとんどありません。DiSC®は、人類に共通の行動特性・コミュニケーションスタイルの違いを測定しており、国の違いを超えても相互理解を深める機会を提供してくれます。


回答は、その人の母国語で回答いただくことが推奨されています。

測定ツールにはそれぞれの目的・特徴が異なります。「どれが良いか」というより、「私たちの課題は何か、そのためのどのような項目を測定すればよいか」を明確にして選択するのが良いでしょう。DiSC®は、自分と他者を知り関係性を強くするもので、シンプルで分かりやすく他者適応に使いやすいように設計されています。そのため、コミュニケーションに対する即効性と継続性が期待できます。


ツールを選択するうえで、最低限、その「信頼性」と「妥当性」はしっかりと確認しましょう。


また、心理測定の理論的枠組みには、「類型論」と「特性論」があります。DiSC®は、どれかに分類する「類型論」ではなく、各特性のバランスを測定する「特性論」です。

bottom of page